2013年2月18日月曜日

開催報告 滋賀医科大学 放課後家庭医療学レクチャー 第16回 「らくらく認知症セミナー」


行脚プロジェクトスタッフの菅家です。
今日は、滋賀医大で定期的に行われている「放課後家庭医療学レクチャー」の開催報告が届きましたので紹介します!
大津ファミリークリニックの来住先生、報告ありがとうございました!!

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滋賀医科大学 放課後家庭医療学レクチャー 第16回 「らくらく認知症セミナー」

大津ファミリークリニックの来住(きし)知美です。2013212日に滋賀医科大学で行われたレクチャーをご報告します。滋賀医科大学放課後家庭医療学レクチャーのひとつとして開催されたこの学習会ですが、今回は高齢者のコモンディディースである「認知症」にフォーカスしました。また特別ゲストとして弓削メディカルクリニックで短期研修中の医学生Gregory Shumerさんをお迎えし、豪華な二部構成となりました。

<概略>
●タイトル:
  1) らくらく認知症セミナー
                ~ いざ一歩前へ!認知症への上手いアプローチ ~
  2) 特別ゲストGregさんによるレクチャー
   2-1. medical student life in America
    2-2. My current research in Japan
●講師 (敬称略)
                大津ファミリークリニック 来住知美、森下真理子、齋藤彩
                洛和会音羽病院・総合診療科 佐野瑛子
                あざいリハビリテーションクリニック 宮地純一郎
                弓削メディカルクリニック 雨森正記
                米国ジョージタウン大学 Gregory Shumer
●参加人数
                22名 (内訳:学生12名 医師3名 講師7名)
              (学生は58名 43名)
                所属大学:滋賀医科大学、大阪医科大学、京都大学
●協力団体:FPIG関西、TukTuk

<レクチャー内容>
1) 認知症ワークショップ
①認知症の病気について(スクリーニング、鑑別診断)
認知症と物忘れの違い、認知症の進行により日常生活ひいては生命の維持が困難になっていくことをお話し、適切なケアを早期に開始するためのスクリーニングの手法を、デモをしながら紹介しました。次に「認知症外来」のロールプレイを小グループごとに行い、認知障害を来たす疾患の診断推論を学びました。悪戦苦闘をしながらも3グループ3症例すべて大正解!認知障害を来たす疾患には多彩な鑑別があることを学びました。

②認知症のケアについて(Person-Centered Care
アルツハイマー型認知症で食事・金銭管理ができなくなり徘徊するようになった独居高齢女性のケースを提示し、どんなケアが提供できるかをグループ内で話し合いました。生活支援のための介護サービス利用、孤独を和らげる工夫など様々な意見が出て、講師陣もはっと気付かされる視点が多くありました。またPerson-Centered Careというアイディアと、これが重視する四つの要素“VIPS”(V価値・尊重、I個別性、P視点、S社会性)を紹介し、「その人らしさ」を支える重要性について学びました。

2) Gregory Shumerさんによるレクチャー
①米国の医学教育について
医学部の入学資格、入学後の講義内容やUSMLE、更にはマッチング制度についてお話頂きました。米国には”Couples match”という制度があり、婚約・結婚しているカップルは、希望すれば同じ場所にマッチするよう考慮されるそうです。(例えば彼氏は沖縄、彼女は北海道なんてバラバラな就職先にはならない。日本でもぜひ導入してもらいたい制度ですね!)

②日本での研究(日本の地方における代替医療)
Shumerさんの大学では研究・国際貢献が義務付けられているそうで、今回彼は「日本の地方における代替医療」を研究するために来日したそうです。彼は今回、国際代替医療質問票(I-CAM-Q)に基づいて作成した無記名アンケートを国内3カ所で実施しています。集計途上の研究結果を基に、様々な考察が述べられました。たとえば日本では、健康問題を抱えたときに物質的な代替医療(マッサージや湿布など)に頼る人が多い傾向があるかもしれないそうです。発表後は、「なぜ代替医療を受けていることを医師に伝えない人が多いのか?」など活発に質問が飛び交いました。

報告は以上です。
この滋賀医大での放課後レクチャーは、来年度も引き続き開催していきます。
どうぞご期待ください!

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