2012年6月2日土曜日

開催報告 4/28 福島医大「医大生の時に知っておきたかったこと」


プロジェクトスタッフの菅家です。
開催から時間がたってしまいましたが、
4月28日に福島医大で行われた勉強会の報告です!

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福島県立医大には、「プライマリ・ケアを学ぼう会」という学生サークルがあります。このサークルの始まりは10年弱前、プライマリ・ケアについて学びたいという学生が集まってサークルを作ったのがきっかけで、その後脈々と勉強会サークルとして、現在も積極的に活動しています。


「新入生にも参加してもらえるような勉強会企画を」という依頼を今年はじめに頂き、4月28日に開催しましたので、その内容を紹介したいと思います。


企画を担当してくれた医学部学生の猪股くんからは、将来のキャリアについての内容と、家庭医についての紹介、そして体験型で学んだことを持ち帰ってもらえるような企画にしたい、という依頼を頂いたことから、今回は「対人コミュニケーションのコツ」「家庭医は何をしている医師なのか」「将来の不安について語ろう」という3部構成としました。


今回の勉強会に協力していただける医師を募集したところ、当講座の医師はもちろんのこと、地元でプライマリ・ケアに従事しているベテランの先生、東京や北海道の家庭医、東京で病院勤務している福島医大卒業生など、なんと11人も医師が集まってくれました。主催者として感激でした!


1.話を「聴く」コツ教えます! ~家庭医が教える対人コミュニケーション 初級編~


一対一の会話は、実は聞き手 が左右する? そんな体験から学んでもらおうというこのセクション。5〜6人グループで座ってもらっていたので、まずはアイスブレーキングからスタート。「となりのとなりゲーム」を今回は準備しました。グループメンバーの名前、ニックネームを呼ぶことで、心理的距離を縮め、その後のグループワークに参加しやすくするのが狙いです。


 参加者の皆さんは積極的に参加してくれ、とても盛り上がりました。5グループのなかで1位だったグループには、私のおみやげ「南郷トマトジュース」が贈られました。

そして、コミュニケーションの本題へ移ります。「目は口ほどにモノを言う」「人は見た目が9割」というフレーズを題材に、「メラビアンの法則」について解説しました。非言語的部分でメッセージが発せられていること、コミュニケーションでは非言語的部分にも意識することが必要であることを話しました。


 いよいよ体験。2人一組になり、話し手は1分間スピーチ、聞き手の態度を3パターン「無表情でうなずきもしない」「うなずきながら適宜合いの手を入れる」「90度体を横に向けて、メモを取りながら単調にうなずく」試し、それぞれがどう感じたかを共有しました。聞き手の態度で、話が盛り上がったり、喋りにくかったりする、ということを体感し、それぞれの聞く態度を振り返ってもらえたようでした。


2.家庭医って何してる医師?


 私が只見町朝日診療所で働いている様子を画像付きで紹介し、実際に家庭医はどんな仕事をしているのかをイメージしてもらいました。働く場所によっても変わりますが、年代を問わず、診察を受けに来た人たちだけでなく、周りに住んでいる人たちがより健康に、よりよく過ごすことができるように医師として働く、という点を伝えられればと考えました。


 参加者の皆さんからは、これまでの日本の医療には家庭医はいなかったのか、とか、今どれだけの人数、家庭医がいるのか、など、本質をつく質問が数多くだされ、私だけでなく、ファシリテーターとして参加してくださっていた先生方にもコメントいただきながら、理解を深めて行きました。


3.将来の悩みを一緒に考えよう!
  医学生として入学したばかりの人から、まもなくマッチングで初期研修病院が決まる6年生、そして現在研修中の初期研修医も参加してくれていたこの勉強会。それぞれが感じている将来への不安・悩みを言語化して、先輩医師たちの経験を参考に、今後できることを考えてみよう、というセクションです。


 まず、私が大学入学から現在までのキャリアを自分を例にして紹介し、一般的な臨床医のキャリアパスを知ってもらいました。次に、架空の医学生「福島桃子さん 医学部1年」が今後将来について考える悩み・心配を、想像・妄想して数多く出そう、というワークに取り掛かります。ブレインストーミングとして、数多く出すことを目標とし、多く出たグループには再び「南郷トマトジュース」が贈られました。


 自己のことではなく、架空の人物がどう考えるか、という設定にすることで、自己のなかにある考えをより外へ出しやすくできるのでは、という意図のもと、このようなワークにしました。


 その後、各グループごとにアイデアを整理しつつ、ファシリテーターとして参加してくれていた医師たちに、興味のある項目について質問する時間を設けました。ファシリテーターの皆さんは、それぞれの体験、経験、知識を総動員して、語ってくれていました。
 最後に、このワークを通して、今後の学生生活・研修医生活で「こうしよう」というポイントを、各参加者に書き留めてもらい、ワークショップ全体を終了としました。


<全体の振り返り>
 参加者皆さんが積極的に参加してくれたこと、そしてファシリテーターが各グループ2人ずつ配分できたことで、グループワークが盛り上がり、参加者それぞれが今後の生活に生かせるポイントを持ち帰ってもらえたのではないかと考えています。これは意図していなかった点ですが、ファシリテーターから「初心を思い出して新鮮な気持ちになった」「また明日からがんばろうと思った」という感想があり、これも企画担当としてはとても嬉しいものでした。

 今後も、プライマリ・ケアを学ぼう会との協力で、勉強会・ワークショップなど開いていければと思っています。準備は大変でしたけど、企画・運営している私も楽しかったです。またやりましょう!

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