2012年2月28日火曜日

開催報告 浜松医科大学 家庭医療勉強会


プロジェクトスタッフの菅家です。

2月5日に、浜松医大の学生向け勉強会が行われました!
その報告を、浜松医科大学4年の今村さんから頂きました!!

こうして、全国各地で繋がりができてきているので、
今後もどんどん繋がりを広げていきたいですね!!

====

こんにちは。初めまして、浜松医科大学4年の今村 恵と申します。
2月5日に浜松医科大学で静岡家庭医養成プログラムの新井先生たちの協力のもと家庭医療の勉強会を開催しました。
その開催報告をさせていただきます。

<勉強会名>
浜松医科大学 家庭医療勉強会企画
絆~知ろう!学ぼう!深めよう!家庭医療の輪~
<日時>2012年2月5日(日)13:00 ~ 18:00
<場所>浜松医科大学 浜松医科大学講義棟305教室
<代表・連絡先>平野 名織・今村めぐみ(浜松医科大学医学部4年)
<講師>新井  大宏 ・飯田  智子・津山 梓 ・鹿野 耕太・綱分 信二・平野 有規奈・横田 万里子
(静岡家庭医養成プログラム レジデント)
<参加人数(学部別)>
合計25名:医学生22名、看護学生1名、薬学部生1名、初期研修医1名
【タイムスケジュール】
1300-1310 開始 山岡先生(佐野先生?)より御挨拶・講師挨拶
1310-1330 アイスブレーキング(今村さん・平野さん&平野先生)
休憩10分

1340-1540 OSCEに関する内容・ロールプレイなど、実際に体験できる内容(津山先生ら)120min
模擬患者、お互い参加者がロールプレイ・家庭医的アプローチなどについて盛り込む
医療面接中心・非言語的コミュニケーションをとりいれる
休憩10分

1550-1650 家庭医療とは(講義+グループディスカッション、発表)(新井)60min
休憩10分

1700-1730 家庭医研修の内容(飯田先生)30min
1730-1740 USMLE・海外留学について(新井)10min
1740-1800 質疑応答(班ごとに発表・今後の80大学プロジェクトの紹介・次回の企画など?)
1800 閉会挨拶・記念撮影・Posttest回収・片づけ
1830-懇親会

<自由記載>

浜松医大4年の今村 恵です。2月5日(日)に静岡家庭医養成プログラムの新井先生・津山先生・飯田先生のご協力のもと、浜松医科大学で初めての家庭医療の勉強会を開催することができました。私自信、2011年の10月に京都で開催されたカモネギワークショップで、そこで「家庭医」という概念を初めて知り、その奥深さ・面白さに魅せられました。

いつか、私の大学でもこのような勉強会を開催して、私の大学のみんなにも家庭医の面白さを伝えたい!という夢を持ったので、それが先生たちの協力のもと実現し、本当にうれしい限りでした。


学校で「家庭医療」についての授業はほぼ皆無で、参加者のほとんどが「家庭医療ってなに?」という状態からのスタートでした。
ロールプレイや先生たちの講義を通して、いきいきと発言したり、質問したり、積極的な参加が見られ、とても刺激的でした!!



勉強会前後で行った意識調査では家庭医に対する興味が全員Upし、またみんなそれぞれが掲げた目標以上のものを手にできた、家庭医への興味が増した、将来の選択肢のひとつになったという声が多数で、大成功した!と自信をもって言えます。
私自身、さらに家庭医療についての概念を深く知ることができ、もっともっと家庭医療について学びたい!という気持ちが高まり、非常に素敵な時間となりました。


また開催して!という参加者の希望が多く寄せられたので、今後も定期的に開催していきます!
応援よろしくお願いします!!

2012年2月23日木曜日

開催報告 滋賀医科大学 「ウィメンズヘルス」


プロジェクトスタッフの菅家です。

今回は、定期的に行われている滋賀医科大学での勉強会の報告を、
京都家庭医療学センターの中村先生よりいただきました!

継続的に行われていることがすごいですね~!
ぜひ、今後も報告いただければと思います!

===

中村琢弥です。

2012年1月31日に滋賀医科大学にて「ウィメンズヘルス」についての定期学習会をおこないましたため、その報告を行います。

 本学習会は私の母校である滋賀医科大学の家庭医療勉強サークルであるFPIG関西や国際医療保険学習サークルであるTuktukの皆様と協力し、2011年4月より毎月一回連続開催している家庭医療学習会の第7弾になります。

 今回はこれまでから参加者より多くの需要のあった「ウィメンズヘルス」をテーマとしていよいよ取り扱うこととなりました。家庭医として非常に大事なテーマであり、私もどこかでやりたいと思っていた思い入れのあるテーマであったため、自然と力も入ります。

 事前スタッフ会議にて様々話を詰める中で、今回は滋賀家庭医療学センターのO先生にメイン講師をつとめていただくこととなりました。内容としては以前に別の学習会で取り扱った中身を本学習会用に再編成しなおし、それを元にすすめていくこととなりました。

さて、当日は19:30から開始、参加者である学生は合計20名となりました。まずは簡単に自己紹介を行い、家庭医がウィメンズヘルスを扱う意義を話しました。また今回使用する3つのカテゴライズ「今行うべきこと」「今後のために伝えるべきこと」「家族も含めて介入すべきこと」についての説明を行い、症例検討となりました。

事例は妊娠希望のある女性への上気道炎対応と妊娠中の女性への上気道炎対応の2例。どちらも家庭医クリニックのセッティングです。その中で上記の3つのカテゴリーに入る介入方法を自由にSGDの中でとり上げていただき、発表いただきました。今の学生は非常に勉強されておられ、次々と有効な介入方法が挙がってくるのをとても頼もしく思いました。共有終了後、講師側から解説とそれぞれのエビデンス、実臨床上の経験などを共有し、大盛況の中終了となりました。

全体を通じて、今回は多くの参加者の意見がブレインストーミングを経て提示されたことが印象的でした。ウィメンズヘルスというなれない内容でもこのように盛んなディスカッションができることを実感することができ、今後ももっとこの分野を家庭医の視点から積極的に頻回に扱っても良いのではないかと思う機会となりました。

 Next stepとしては資料面にてアンケート配布など含めてややばたついてしまったことです。入念な準備は良質な学びを生むと思いますので、この点は今後もっと意識を払っていきたいと思います。
 報告は以上です。今後もこの会は月一回で継続予定(次回は2012年2月28日開催予定)です。

2012年2月21日火曜日

5月12日 鹿児島大学 ざっくばらん家庭医療勉強会 ファシリテーターの募集


プロジェクトスタッフの菅家です。

新年度に向け、各地でプロジェクト関連の勉強会計画が進んでおります。
今回は、飯塚病院の吉田先生から、鹿児島大学での勉強会の告知をいただきました!!

====

寒さを吹き飛ばすべく(といっても5月なのですが)
鹿児島大学国際島嶼教育研究センター 嶽崎先生 + 鹿児島大学学生 高島くん
+九州家庭医療ネットワークで準備している

ざっくばらん家庭医療勉強会@鹿児島大学

のご案内をさせて頂きます。

各講師は既に決まっておりますが、当日一緒にグループセッションをお願いしたり
飲み会で学生さんに交流くださるファシリテーターの先生方を大募集しております。

鹿児島出身、または鹿児島大学出身の先生方、または下記の先生方とのセッションに参加されたい方
そして九州鹿児島を愛する先生方みなさまのご参加をお待ちしております。

のちのちに正式募集いたしますが、現時点で参加を希望される方がいらっしゃいましたら
吉田 gnosisin(あっとまーく)gmail.com までご連絡頂けると、のちほどもれなく詳細なご案内が可能です。
ご予定調整の上、5月12日が可能でしたら是非ご参加をお願いいたします。


(ざっくばらん家庭医療勉強会@鹿児島大学)

会場:鹿児島大学医学部キャンパス内講堂・講義室
日時:2012年5月12日
内容:

臨床推論:11:00~12:30
 飯塚病院総合診療科 井村 洋 先生
 飯塚病院総合診療科 飯塚・頴田(かいた)家庭医療プログラム指導医 茂木 恒俊 先生

昼食:12:30~13:30

コーチング:13:30~15:30
三重大学家庭医療学講座・総合診療科 田口 智博先生

家庭医療:15:45~16:45
三重県立一志病院 中村 太一 先生

離島医療:17:00~18:00
与論島パナウル診療所 古川 誠二 先生

皆さまのご参加をお待ちしております!

2012年2月20日月曜日

2/28 滋賀医科大学 「ワクチンスケジューリング」


プロジェクトスタッフの菅家です。

現在、いくつかの勉強会の報告を頂いておりますが、
勉強会の開催告知を先に掲載させていただいております。

ぜひたくさんの方に参加していただきたいと思います。
随時開催報告も掲載していきますね。

ということで、継続的に行われている、滋賀医科大学での放課後レクチャー、
2月28日に第8回が行われます。
ぜひご参加ください!!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第8回 滋賀医科大学 放課後家庭医療学レクチャー

日時:2012年2月28日(火) 19:30~21:00 (90分)
場所:滋賀医科大学 一般教養棟 一階 小教室

参加対象者:医学生看護学生 全学年(他、飛び入り参加大歓迎!)
参加費:無料
協力団体:FPIG関西、TukTuk(とぅくとぅく)の皆様

講師(敬称略):
・中村琢弥(京都家庭医療学センター)(メイン)
・雨森正記(滋賀家庭医療学センター)
・森洋平(滋賀家庭医療学センター)

第8回テーマ:
「ワクチンスケジューリング ~よりよい予防接種の担い手を目指して~」

紹介文
 家庭医は小児~大人まで幅広い診療を行いますが、
予防活動に力を入れているのも家庭医療学の専門性の一つとされます。
特に日常診療で小児科診療をしていると日常の予防接種について
様々質問を受けたりアドバイスをする機会が多いことを実感します。
しかし、実際学生時代~医療現場において私たちは
予防接種の臨床現場での組み立て方について学ぶ機会は実はそう多くありません。
昨今は予防接種の内容も多様化しており、家庭医はしっかりと実践できるレベルで学ぶ必要があるのです。
よりよい予防接種の担い手を目指して「ワクチンスケジューリング」をみんなで学びましょう!

申込先
http://my.formman.com/form/pc/gLETkp3soQUzQb27/

~~~
これまでのテーマ
第1回 「かぜ症候群」 2011年4月26日 開催
http://www.kcfm.jp/article.php/20110428083541879
第2回 「解釈モデル」 2011年5月31日 開催
http://www.kcfm.jp/article.php/20110602091028468
第3回 「プライマリケア頭痛診療」 2011年6月28日 開催
http://www.kcfm.jp/article.php/20110703201519919
第4回 「家族志向ケア」 2011年9月27日 開催
http://www.kcfm.jp/article.php/20110929225734184
第5回 「創傷処置」 2011年10月25日 開催
http://www.kcfm.jp/article.php/20111028230251122
第6回 「家庭医の継続性」 2011年11月 開催
http://80angya.blogspot.com/2011/12/1129.html
第7回 「ウィメンズヘルス」 2012年1月31日 開催
http://www.kcfm.jp/article.php/20120203220632160
~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

以上です。

3/17 徳島大学 家庭医療セミナー(再告知)


プロジェクトスタッフの菅家です。

先日も一度お知らせしましたが、
3月17日に徳島大学で行われる勉強会の告知をいただきました。
近隣の皆様、ぜひご参加ください!

===

このたび徳島大学にて家庭医療セミナー開催の運びとなりました。
日程等は下記のとおりです。
主に学生を対象とした家庭医療の基本を学ぶワークショップです。
興味関心のある方は是非ご参加ください。

日時:2012年3月17日(土)午後12:30~18:00
場所:徳島大学構内の講義室
内容:家庭医療入門
参加費:500円

講師:
松坂英樹、岡田奈保子(岡山家庭医療センター)
蓮間英希(家庭医後期研修プログラム「なごみ」)
太田敦(京都家庭医療学センター)
國永 直樹(倉敷中央病院救急センター)

(ワークショップ終了後懇親会開催予定(費用別途) 懇親会のみの参加も可です)

ご参加ご希望の方はお手数ですが太田(okiraku_santaアットマークyahoo.co.jp)まで事前にご連絡のほどお願い申し上げます。

2012年2月9日木曜日

開催報告 福井大学医学部1学年・2学年 地域医療学講義

プロジェクトスタッフの菅家です。


今回は、いつものワークショップとは異なり、
大学の「講義」の報告を福井の井階先生から頂きました!


私は、赤ふん坊やがとても気になります(笑)


大学の講義ですので、
ジェネラリストについて「知らなかった」学生にどう伝えるか、
という点で、報告が参考になります。


報告ありがとうございました!


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
<勉強会名>福井大学医学部1学年/2学年地域医療学講義
<日時>平成24年1月18日/2月3日
<場所>福井大学


<講師>福井大学医学部地域プライマリケア講座 井階友貴/福井県高浜町マスコットキャラクター 赤ふん坊や




<参加人数(学部別)>医学部医学科 140名(福井大学)


<自由記載>

福井大学1学年及び2学年対象の地域医療学講義で、プロジェクトの一環として家庭医療学について知ってもらいました!地域医療の考え方の基に家庭医療学の考え方がすんなり合致し、地域医療とは「田舎で診るだけでない、全国一律でない、病気を診るだけでない、患者を診るだけでない、医療を提供するだけでない、支える医療」だ!と伝えてきました!



福井県高浜町が誇る元祖ゆるキャラ・赤ふん坊やも忙しい公務の中登場してくれ、高浜町や地域の魅力を説明してくださいましたよ♪また、救急総合診療部の寺澤・林両教授も参戦され、大いに盛り上がりました☆


~内容~


・地域での医療って?
・家庭医療学って何?
・地域医療の実際(高浜町での医療の紹介)
・地域ケアを考えてみよう!(2学年のみ):実際にどのように支えることができるか、自分で考えて発表してもらいました♪
・行脚P紹介
・まとめ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

2012年2月7日火曜日

開催報告 学生・研修医部会関東支部 「家庭医×看取り 医療者のためのしゃべり場」


プロジェクトスタッフの菅家です。

日本プライマリ・ケア連合学会(以下日本PC連合学会)若手医師部会 80大学行脚プロジェクトは、設立当初から「大学構内での勉強会の支援」を中心に活動してきています。

現在もその方針は変わっていませんが、若手医師部会の弟分・妹分である、学生・研修医部会の活動については、当プロジェクトでも支援していく方針としています。

ということで今回は、日本PC連合学会の下部組織、学生・研修医部会関東支部が主催した企画の開催報告を、企画段階からサポートしてくださっていた、宮地先生からいただきました。
サポートする側としても、参考になる報告ありがとうございます!!

====

日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会関東支部
「家庭医×看取り 医療者のためのしゃべり場」 開催報告
北海道家庭医療学センター 家庭医フェロー  宮地 純一郎

【はじめに】
この企画は、学生の皆さんが、医療者として必要だが話題の機会が少ない「死生観」について、自発的に学びつつ、かつ家庭医療を通じて対話を深める場を持ちたいというニーズを持ったところからスタートしました。

学生教育にも携わる家庭医として、
 ①ワークショップ枠組みや考え方の提供
 ②チームビルディングのファシリテート     
という2点からのサポートを提供しました。

そして、学生の自発性と学びを大切にするために、具体的なアイデアや内容へ触れることは最小限にとどめました。当日のワークショップの内容や様子については、企画をした彼ら自身からのご報告をご覧下さい。 
--------------------------------------------------

【全体構成について】
この会は、埼玉医科大学、横浜市立大学、筑波大学、自治医科大学の4大学が合同で企画運営をしてきました。
会の目標としては 企画スタッフが話し合いを繰り返し、以下の三つを掲げました。
1.学生から学生へ発信 (学生が発表者になる会)
2.4大学それぞれが持つサークル間の交流、活性化
3.対話*1で家庭医や死生学*2を学ぶ
(*1:対等な立場の学生同士だから「教える」というより「一緒に学ぼう」のスタンス。
*2:医療者になれば必ず考える立場になるのに学生ではあまり学ぶ場のない「死」を取り上げたい。)

以上の目標達成のために、

①conversation 、②理論、③実践、④再考

という4つのパートを用意することにしました。
そして、4大学それぞれが責任性を持ち個性がでるように上述のように各セッションを担当しました。
一方で定期的にミーティングを行うことで各セッションのつながりが乱れないようにも努めました。
更には、「落ち着いた対話のできる環境を提供する」ことを、重要なモットーとして挙げ、
音響、照明だけでなく、配布物やドリンクなどにまでさまざまな工夫を凝らしました
そのため、会全体の流れやつながりは参加者からも好評価をいただきました。
以下に各セッションの詳細を責任者の言葉でご報告します。 
(自治医科大学 6年 山本 愛)

【①Conversation】 
横浜市大が最初のセッション「Conversation」を企画しました。
まず、事前に参加者に宿題を出しました。
お題は「最期の日の日記」です。自分が亡くなる日を想像し、その日の日記を書いてきてもらうというものでした。
この宿題は、参加者個人の死に対する考え(=死生観)を言語化する目的で出しました。
当日はペアを組み、軽いロールプレイを行いました。一人が医療者役になり、一人が余命一ヶ月の患者役です。
医療者役は、最期を迎えつつある患者さんの心情を聞き出しました。その後、6人グループを作り、ディスカッションの時間を設けました。
上手な死生観の聞き出し方や、死生観の多様性などを共有し、セッションを終わりました。
このセッションを通して得たことが三つあります。まず、自分の死生観を言語化できました。
次に、患者さんから死生観を聞き出すことの難しさを感じました。
最後に、他の人の死生観を聞くことで、その多様性を知り、自分の死生観を深めることができました。
(横浜市立大学 4年 黒岩冴己)

【②理論】 
2つ目の「理論」というセッションを埼玉医科大学では企画しました。
死生学を語る上で主観を持つことは大切ですが、少し死を客観的にとらえた上で死を語ることを目標としました。
そこで死生学のバイブルともいえるエリザベス・キュブラー・ロス著「死ぬ瞬間」を題材にあげました。
まず、最初のセッションでの最期の日記の中での感情をピックアップしました。
主観から客観へと移ること、自分の想像を上回ることが死には存在することを意識したかったためです。
その後、死の過程である否認・怒り・取り引き・憂鬱・受容の五段階を解説した上で、それぞれの過程における症例を提示し、
出来る限り抽象的に死の段階の考察と対処を考えました。
グループごとに議論してもらい、最後にキュブラー・ロスはどう向き合ったかという話をしました。
はじめは抽象度の高い議論に戸惑いもありましたが、死を客観的に考えるという作業を通して自分の中での死に対する思考力を向上させるきっかけになったと感じました。
(埼玉医科大学 5年 日下伸明)
【③実践】
自治医科大学では3つ目の「実践」というセッションを担当しました。
ここでは、看取りにおける家庭医の技術だけを学ぶのではなく、家庭医一人一人で異なる感じ方・在り方に基づいてどう看取りを行っていくのかに焦点を当てました
流れとしては、まず佐藤弘太郎先生関わった末期の患者さんのお看取りを通して先生が感じたこと思ったことなどを30分ほど講演していただきました。
そして、その講演に対する質問を参加者にあらかじめ配布していた付箋に書いてもらい、壁に質問を分類してまとめてそれをもとに、佐藤先生、安藤先生、宮地先生と座談会を行いました。
一つの質問に対して先生方が一人一人異なる回答をしていただいたことで、今回の勉強会のグランドルールにあげていた「人との違いを楽しむ」ことができました。
また、自分自身の死生観をはっきりさせていくことが、これからの医療行為に大きく影響していくのだということが実感できました。
(自治医科大学 6年 平野貴大)

【④再考~まとめ】
最後のセッションは『再考』ということで,それまでのセッションで学んだことを生かして実際に看取りの症例に対するアプローチを考える,という試みをしました.
短時間で参加者全員が患者さんの背景について周知できるよう,『サザエさん』を題材にした架空のシナリオを作成し,
末期癌になったサザエさんに医療者としてどうアプローチするか,というテーマで議論をしました.
議論は二つに分け,前半で議論した内容からピックアップしたテーマについて,後半は議論をより深める,という流れで進行しました.
最後ということで,セッション・会全体のまとめとして、講師の先生方と私たち学生との間で対話形式のディスカッションを行いました.
話のセッションから始まった死生観の話題と,自治医大のセッションから次第に大きくなっていった家族に対するアプローチの話題について,
現場での実践経験やそこから導き出される理論などを交えつつ、よいまとめにすることができたと思います.
(筑波大学医学類3年 木村紀志)

【終わりに】
前日、スタッフは泊まり込みで予演会や懇親会を行い、私たちが大事にしたいコンテクストをスタッフ全員で共有できました。
当日は参加者(スタッフ込)53名、講師3名の計56名で対話の場を作り上げていきました。
全員が「死」を本気で考え本気でぶつかっていました。セッションを終えるごとにこの集団の成長を感じました。
終了時には全体が一体となれる場になっていました。
このような会を作ることができたのも、
宮地先生が私たちのやりたいことを踏まえながら、見守りつつ導いて下さったからです。
未熟な私たちでしたが、成長できる力を信じフォローしてくれるひとの存在でとても大きなパワーを発揮することができました。
このように大きな学びを提供して下さる若手部会の先生方にこの場をお借りしてお礼を申しあげます。
(自治医科大学 6年 山本 愛)

【WS概要】
<勉強会名> 学生研修医部会関東支部 「家庭医×看取り 医療者のためのしゃべり場」
<日時>12月11日(日) 10:00~17:15
<場所>東京都医師会館307会議室
<主催>主催:プライマリケア連合学会学生・研修医部会関東支部
   (自治医大、筑波大、埼玉医科大、横浜市大)
<参加人数>合計53名;(医学生48名、看護学生・薬学生・鍼灸学科生・獣医学生・救急救命学科生1名ずつ)
<企画 (兼当日ワークショップ講師)>
自治医科大学6年 山本 愛 平野 貴大
埼玉医科大学5年 日下 伸明
筑波大学3年   木村 紀志
横浜市立大学4年 黒岩 冴己 曾原 雅子
<講師>
<詳細>
10:00 開場
10:30 開演、イントロ
10:45「Conversation」:横市…自分の死生観に気づき、人の死生観を受け入れる場
11:35「理論」:埼玉医…患者さんの死を迎える過程を学ぶ場
12:20 昼休み
13:20「実践」:自治医…家庭医の看取りの実際を知る場
 (講師)
  佐藤 弘太郎 先生(北海道家庭医療学センター 家庭医フェロー)
  安藤 高志 先生 (北海道家庭医療学センター)
  宮地 純一郎 先生(北海道家庭医療学センター 家庭医フェロー)
14:35「再考」:筑波…自分の死生観に基づき、看取りの症例を演じる場
15:30 まとめ
16:15 振り返り
16:45 活動紹介
17:15 終了
 -------------------------------------------------------




2012年2月6日月曜日

開催報告 1/15 順天堂大学勉強会


プロジェクトスタッフの菅家です。

1月から3月にかけても、各地での勉強会企画が開催されています!
今日は、1月15日に行われた順天堂大学での勉強会の報告を紹介します!
順天堂大学医学部の、久保伸貴さんからいただきました。ありがとうございます!

====


80大学行脚プロジェクト 順天堂大学勉強会」『家庭医マインドに触れよう!』
主催 順天堂大学 学生医療研究会
共催 日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 関東支部

日時:2012115() 14:0019:00
場所:順天堂大学 本郷キャンパス 10号館105教室
企画代表者:順天堂大学医学部2年 久保伸貴
企画関係者:順天堂大学医学部5年 岡野恵

講師:新井大宏先生(静岡家庭医養成プログラム チーフレジデント)
飯田智子先生(静岡家庭医養成プログラム レジデント)
杉谷真季先生(東京医療センター 総合内科レジデント)
内山直樹先生(東京医療センター 総合内科レジデント)
宇井睦人先生(都立多摩総合医療センター 救急・総合診療プログラム)
特別講師:松村真司先生(松村医院 院長)

参加人数:合計39
医学生31名、看護学生5名、看護助手1名、会社員1名、医師1

タイムスケジュール:
1300- 開場 pretestを事前に書いて頂いた。
14001420 開演、代表者司会によるアイスブレーキング
14201430 岡野恵「家庭医療へのイントロダクション〜DiseaseIllness
14301530 新井先生「家庭医療とは(ワークショップ)」
休憩10
15401610 飯田先生「家庭医研修の内容」
16101640 松村先生からの特別レクチャー
16401650 集合写真撮影
16501730 杉谷先生&内山先生「ホスピタリストを目指して」
休憩10分 posttestの配布、記載
17401840 宇井先生「離島医療の魅力(ワークショップ)」
18401900 新井先生「USMLE・海外留学関連団体の紹介など」 
19001915 埼玉医大5年 日下伸明「学生・研修医部会の活動紹介」
19151925 片づけ

企画経緯:
 医療系の大学に通われている学生なら一度は聞いたことある言葉「家庭医療」。しかし、大学のカリキュラムとはかけ離れた存在であり、なかなか知る機会がない。そこで、日本プライマリ・ケア連合学会の若手医師部会の先生方にご協力頂き、以下のような目標を掲げて、勉強会を開催するに至った。

・家庭医マインドとはなんだろう?病院の医師にも家庭医マインドは必要なのか?
・自分なりの言葉で家庭医マインドを語れるようになろう。
・家庭医療とは何か自分の言葉で言えるようになる。
・家庭医療の心、家庭医療の意義、家庭医療に携わる魅力を知る。
・患者の背景をみる医療とはどのようなものか知る。

企画内容:
久保さんによるオープニングとアイスブレーキング
 久保さんの個性的な自己紹介で空気をほぐした後、講師陣の紹介をし、事前に分かれていたグループ内で簡単な自己紹介をお互いにした。アイスブレーキングでは、「気づきのテスト」という動画を用いた。グループ対抗でいくつ「気づけたか」を競い、どのグループも5〜7個ずつは見つけられていた。ネタばらし動画をみて、多いに盛り上がり、場の空気は十分に暖まった。
(参照:”Test Your Awareness : Whodunnit?” http://www.youtube.com/watch?v=ubNF9QNEQLA

岡野さん「家庭医療へのイントロダクション〜DiseaseIllness
 家庭医療とは何かを勉強する前の導入として、DiseaseIllnessについて、簡単な症例を題材にグループワークを行った。医学的な診断と治療(Disease)はもちろん大切だが、患者さんの本人の体験(Illness)もとても大切な要素である。家庭医療ではこれらのバランスをとることも必要なのではないか、とまとめて頂き、これから家庭医療を学ぶための雰囲気を作った。

新井先生「家庭医療とは(ワークショップ)」
 米国における家庭医療の歴史、日本の近代医学の歴史、そして日本での家庭医療の歴史と現状が説明された。図を用いた臓器別専門医と家庭医の守備範囲の比較、家庭医は患者の背景やその家族、さらには属するコミュニティを常に考えて診療をしていること、そして予防指導を継続していくことの3点を家庭医療の特徴として、事例や図表を用いて具体的に説明して頂いた。

飯田先生「家庭医研修の内容」
 家庭医療専門医を目指す研修内容の概要を説明して頂いた。家庭医療研修の特徴として、外来研修を十分に積み、「外来」マネージメントの指導を受けること、臓器専門医のもとで他科の研修を積み、専門医に送るタイミングや他科でしか学べない手技の習得をすること、地域のプライマリヘルスケアに介入することを挙げられた。そして、実際にご自身が行われている、静岡家庭医養成プログラムでの後期研修の内容を取り上げて、上記のことを具たいていにご紹介頂いた。

松村先生からの特別レクチャー
 松村医院での日頃の診療風景を実際の写真を用いて、裏話を織り込ませながらご紹介頂いた。最後には、学生・研修医からのよくある質問トップ3について取り上げられ、松村先生ワールドの中にみんなが吸い込まれていった。先生が紹介された言葉「過去を根拠に未来を限定してはいけない。肝心なのは、夢が先にあることだ。登山家故トッド・スキナー」が強く印象に残るものだった。

杉谷先生&内山先生「ホスピタリストを目指して」
 「市中病院にいる医者ってどんなイメージ?」と参加者に投げかけるところから始まった。大病院の医師や家庭医とはどのような点で異なっているのかについて、図を用いてとても分かりやすく説明された。そして、市中病院での研修の様子について、あるレジデントの1週間を取り上げて、ホスピタリストの面白さを紹介して頂いた。

宇井先生「離島医療の魅力(ワークショップ)」
 ご自身の島嶼地域(伊豆諸島、小笠原諸島など)での経験をご紹介して頂いた。自然豊かな美しい写真や、島の人や診療所のスタッフとの交流の写真をふまえながら、島で医療をすることとは何か、島で医療を行うのに必要なことは何かなど説明され、離島医療の魅力をとてもよく感じられた。

新井先生「USMLE・海外留学関連団体の紹介など」
 最後の講演として、学生向けの海外留学のシステムや財団などの紹介をして頂いた。「最初からできる人はいない。努力によって必ず成長する。動機と継続性が大事。」というメッセージを頂いた。自分が今どの段階なのかを見つめ直し、動機が足りないなら動機づけから始めよう。そう感じさせられた。

最後に
 5時間があっという間に過ぎてしまった。参加者さんの声の中には休憩の取り方や予定より長引いたことについて指摘がみられた。また、司会進行の手際が若干悪かったことも指摘頂いたが、ほとんどの参加者に勉強会に参加して良かったと思って頂いたようで大変嬉しく感じた。主催者としてはまだまだ未熟であったが、勉強会成功のためにご協力して頂いた講師陣の方々をはじめとする、全ての方々に感謝したいと思います。